「キラ!テレビに出ろ!」

「………………………………………。……………………はぁっ!?」

いつもの変わりない休日。
珍しく休みの日に家にいる双子の姉、カガリの漏らした発言に、テレビ前のソファでくつろいでいたキラはしばしの沈黙の後、普段の少々とろい彼からは想像もできないような瞬発力で、カガリのほうに振り向いた。

「よしっ!決まりだな」

「っちょっ、待ってよ!?僕出るなんて一言も言ってない!」

よかったよかったと満足げにうんうん頷く姉に、さっぱりついていっていない弟は翻弄されつつ流されまいと、堅く決心を決めて詰め寄る。

「バカだな、キラ。言ったじゃないか“はあ”って。」

「バカは君でしょ!?それの何処が肯定の返事になるの!!」

「バカっていうな!お前のほうがバカだ!これは譲らん!!」

「そもそもそんな話じゃないだろ!?」

このままではいつまでたっても先に進まない上に、適当に決着つけられて、気付いたら撮影所にいることになるに違いない。
何とかそれだけは避けたくて、キラはちゃんと最初から話すようにカガリに促した。

「私が秋からのドラマに出ることに決まった。しかもヒロインだ」

「すごいじゃない。おめでとう」

「で、お前は主人公だ」

「だから意味わかんないって…」

カガリは幼少時代から子役として女優業をしており、活発でまっすぐな人柄と、後味のよいすがすがしい演技が好評で、今では結構有名である。

「わかれよ!私の役と主人公の役が双子って言う設定なんだよ!」

「言ってなかったじゃん!そんなこと!」

声を荒げるカガリに理不尽な憤りをぶつけられて、こっちも声が荒くなる。

秋から始まる新ドラマ。
それは話題性が豊富で、一般人であるキラでも知っていた。
なんでも期待の新人を多用し、CGを駆使して、戦いのむなしさ、友情、絡む人間関係など、さまざまな問題を投げかけるドラマだとか。

そのヒロインに姉が選ばれたことは嬉しいし、誇りに思う。
だがなぜそれで、双子というだけで自分が出演しなければならないのか。しかも主人公。

「無理だよそんなの!テレビ出演なんて。カガリと違って、僕素人なんだから…」

「そんなの何とかなるだろ!お前は私の弟だぞ!」

「どういう理屈だよそれ!」

「私が出来るんだから、お前だって出来る!それにキラは父上と母上の子供なんだぞ!」

「それはっ…そうだけど」

言葉に詰まるのも無理ないと思う。
キラの家は根っからの芸能家系で、父のウズミは知らないものはいないほどの大御所俳優。
母のヴィアはパリコレ出演の現役モデル。
そして、双子の姉は先に述べたとおりの人気上昇中な女優。

キラが一般人でいることのほうが不思議なくらいだ。

「興味ないもん!芸能界なんて」

「どうしても、主役が見つからないらしいんだ!監督も困ってるみたいだし…」

「そんな事言われても………」

うって変わって切なげに顔を俯かせる姉に、どうせ演技だろうと思いつつも動揺を隠すことが出来ない。
キラは根っからのお人よしなのだ。

「双子設定だからお前にピッタリだし、配役は自分の性格とほぼ一致で書くらしいから演技の心配も無い!」

「っでも………」

「それに、


    





 アスランがでるぞ?」

「っでる!!!」

キラは根っからのお人よしでもあるが、それ以上にアスラン・ザラのファンでもあったのだ。




こんなのバイト前に書いてみました。おもしろい?
続きとか全然考えてないんですけど、…なんかコメントあったら下さい。(切に)
お願いします。

アスランはアイドルグループの一員で、メンバーはザラ隊4人組です。
リーダーはイザークで。
普通だったら、アスランベースとかギターなんでしょうけど、このアスランボーカルです。(笑)
想像できない感じが面白いかと…!

勝手にウズミ様とヴィアさん夫婦です。
キラたんの名前がキラ・ヤマトよりキラ・ヒビキの方がよかったからっていうそんな理由ですが。
もちろんカガリはアスハですよ!?

キラとカガリの漫才会話書いてるのが結構楽しかったです。

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